• 菱洋エレクトロ

IT活用で接客スタッフのメンタルヘルスを守る  第3回 IT活用で予防と回復をサポートする


従業員のメンタルサポートできてますか?





全業種と比較して、「宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業では、『仕事の先行きが不安定』『世帯の経済的な苦しさが増した』との内容が多かった」。


厚生労働省が2020年9月に行った調査結果です※。コロナ禍が続く2021年となり、その不安感や苦しさは増すばかりだと思われます。




本稿では、ホテルや飲食店、小売店のような接客サービスに関わる方々のメンタルヘルスについて全3回で考え、そのサポートの参考にしていただきたいと考えています。


※今回引用の調査結果は「新型コロナウイルス感染症に係るメンタルヘルスに関する調査結果」令和2年12月25日 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/datasyuu.pdf



第三回 IT活用で予防と回復をサポートする


 コロナ禍における接客サービス業のメンタルヘルスは、ITツールの活用や本部からの支援によって、予防や軽減、回復を手伝うことも可能です。

今回は、メンタルヘルスに役立つITツールの一部を、「教育」「社内コミュニケーション」「業務プロセス改善」という3つの視点でご紹介します。


1)動画やオンラインミーティングを活用した「教育」

 メンタルヘルス不調は、誰もがなり得るものです。

 特別なことではないということを関係者が理解していないと、不調を訴えた同僚に「甘え ているからだ」「心が弱いからだ」とよりストレスを与え、悪化させる可能性がありま  す。


 また、不調者自身がそのように思い、自らを責めて、誰にも相談できずに、悪化させてし

まうこともあります。

 そのような事態を避けるために、現場で働く接客スタッフはもちろんのこと、SVや本部などの管理業務に就く方々を対象にメンタルヘルスに関する 正しい知識を学べる教育を行ってください。



・動画活用 

 メンタルヘルスに関しては、厚労省や各種団体など無償視聴できる動画が配信されていま

す。スマートフォンでも視聴可能なので、5分程度のものを毎週1つずつ、接客スタッフ

に配信してみてください。関心ある人は、自主的に他の動画も視聴するようになります。

 無償視聴可能な動画:

 動画で学ぶ「メンタルヘルス教室」

 →厚生労働省 https://kokoro.mhlw.go.jp/video/

 メンタルヘルスケア理解のアニメ

  →あんしん財団 https://www.anshin-kokoro.com/tool1.html


また、可能ならば会社の代表者の動画配信にも取り組んでください。

 5分程度、会社の状況を率直に、代表者自身の飾らない言葉で「現在の会社の状況」と 「今後をどう考えているか」話してもらえば良いです。できれば毎週、難しければ隔週で 構いません。

 売上低迷や閉店など、厳しい内容でも率直に話してください。率直に話せば、会社側は「都合の悪いことを隠す」と不信感を持たれずに済みます。

 出勤していても自宅待機していても、自分の会社の代表者の言葉を動画で見られるとい うのは、全社員に安心感を与えることができます。

 ただし、10分以上にならないよう気をつけてください。それ以上は、よほど上手に話 さない限り、集中したまま視聴してもらうことは難しいです。



・オンライン教育活用


休業や自宅待機者がいる場合、オンラインで教育する場を設けてください。教育を行っても、雇用調整助成金などの対象から除外されません。

 外部講師が理想的ですが、ベテランスタッフなどの社内講師でも構いません。テーマを細分化して5~20分/回、録画して蓄積していけば、社内教育プログラムにすることもできます。

 オンラインシステムは、効果なeラーニングシステムなどを契約する必要はありません。ZOOMやTEAMSで十分です。

 研修テーマは、メンタルヘルス以外にも実務的なスキルアップとなるものを取り上げるのも効果的です。自宅待機中でも「学ぶことができ成長できた」と感じることは、メンタル不調の予防にもなります。


2)ITツールを活用した「社内コミュニケーション」

 多店舗展開をしている飲食店や小売店などでは、「本部と店舗」「店舗と店舗」「店舗のスタッフ同士」の間で、リアルタイムに細やかなコミュニケーションをとれるようにしてください。

 本部が店舗の不満やストレスを把握できる上、スタッフ同士でストレスや問題点の解決 方法を考えてくれるようにもなります。


 コミュニケーションにあたっては、「チャットやメールなど記録に残る方法」と「会話 など記録に残らない方法」をうまく使い分けてください。

 チャットやメールなどは、指示を正確に伝えたり、時間を気にせず意見を集めることに 向いています。スマートフォンのSNSに慣れた世代には、話すよりもチャットで愚痴など を書き込んだほうが落ち着くという人もいます。

 一方、電話やオンラインミーティングなどの会話でコミュニケーションをとる方法も確 保しておいてください。やはりチャットなど文字では伝わらない雰囲気を感じ取ることも できますし、記録に残らないという安心感から本音を話してもらいやすいです。また、「話すだけで気持ちが落ち着いた」ということも多いので、「なにか本部からサポートしてもらいたいことは無いか」「ストレスに感じていることは無いか」などを話してもらうようにすると、スタッフのメンタルヘルス維持に効果的です。


「業務指示コミュニケーションツールWOMS」


3)「業務プロセス」の改善

 コロナ禍だからこそ、業務プロセスの見直しに取り組んでください。感染予防と同時に接客スタッフのストレス軽減や省人化を実現できることもあります。

 コンビニやスーパーでのセルフレジも、都市部では抵抗無く受け入れられています。

飲食店のタッチパネルやQRコードを使ったセルフオーダーシステムは、回転寿司店や  ファストフードを始めとして受け入れられており、導入により客単価が上がる例もありま す。

 アパレルや化粧品販売店などでは、アバターによる遠隔接客システムも導入され始め、 お客様から「ゆっくり商品を見られるようになった」と好評価も得られています。


「オペレータがアバターを使って接客するシステム。感染リスクが無く、オペレータはテレワークも可能になる。菱洋エレクトロのTimeRep」




 最後に、メンタルヘルス不調の相談窓口を掲載します。上記施策などの取り組みが難しい場合、以下を社内告知するだけでもご検討ください。

不調を感じるものの「会社に不調が伝われるのではないかと心配」「専門医へのカウンセ

リングには抵抗がある」という場合でも安心して相談できます。


 メンタルヘルスに関する厚生労働省の相談窓口 

・電話 0120-565-455

 https://kokoro.mhlw.go.jp/tel-soudan/

・LINE

  https://kokoro.mhlw.go.jp/sns-soudan/

・電子メール

               https://kokoro.mhlw.go.jp/mail-soudan/


各種職場ハラスメント相談窓口(パワハラ、セクハラ、モラハラなど)

電話 0120-714-864 https://harasu-soudan.mhlw.go.jp/



河野 隆

A&Cアソシエイツ株式会社 常務取締役

上海埃和希企业管理咨询有限公司 董事長

株式会社MD.ネット 顧問

国内系大手経営コンサルティング会社に入社後、リゾートホテルチェーンやエステサロンなどでの人材育成や顧客満足向上のコンサルティングを実施。2010年より上海で日系自動車メーカーやアパレルの教育研修会社を運営。2018年よりアンガーマネジメントやレジリエンス、メンタルヘルスに関するコンサルティングを行っている。



A&Cアソシエイツ(株)

「コロナ禍で働く接客サービス業のためのメンタルサポートプログラム」チラシDL